Viagra 11月23日 朝食を食べ、荷造りを行う。今日からバーハへ宿を移すのだ。だが宿のスタッフや他の宿泊客に挨拶したにも関わらず、
移動するためのタクシーが全く捕まらないため1時間以上ラランジェイラスで足止めをくらった。理由は
車の積載量不足。どのタクシーもトランクにガスボンベを載せているらしく、僕たちの荷物(特にビリンバウとか)を運ぶ余裕がないのだ。結局、久のコネでメストリに車を出してもらい、運んでもらった。広場で交渉したり電話をかけたりと、朝から久は自分以外のことで四苦八苦していた。お疲れ様です。
ペウロリーニョ広場から20分、海岸沿いのホテルが新しい宿となった。バッハツーリストホテル。三ツ星のホテルらしい。人があまり多くなくて静かだけれど、それが何か少し寂しい気がした。値段は一人一泊60レアル。ラランジェイラスの倍だ。その割りにはたいしたホテルじゃなかった。シャワールームにはヒビが入っていたし、部屋も暗い。さらに僕に割り当てられた部屋は建物に囲まれていて外が見えない(これは僕の部屋だけだった。Morangoはバルコニーから海が見えたらしい。僕は部屋にまでツキがないようだ)。エアコンがついていることがせめてもの慰みか。使いまくってやろう。何故かベッドは2つ。贅沢なので、次の日からはGarcaoとの相部屋にすることになった。
荷物をまとめ、僕一人citi bankで金をおろしておいた。銀行から近い、という点は便利だ。11時ごろ、ようやく出発!「夜はメストリ・ヘネの道場へ行こう」と久は言うが、予定通りいくのだろうか・・・。
メストリ・ルーア・ジ・ボボはサンパウロで会った(ピザを奢ってくれた)Tocaの先生だ。久曰く、「紳士的なjogoをする人」らしい。白い帽子とジャケット、パンツでとてもエレガントに動くのだという。僕たちの先生、メストリ・ブラジリアのカポエイラスタイルにも似ていると久は言っていた。「決して荒々しい動きはしないけれど、確実に相手を追い詰めていくタイプの人だ。一つ一つの動きはとても綺麗だ。体を崩す前のメストリ・ブラジリアも、相手を見事に追い詰めるカポエイリスタだった。俺はまったくかなわなかったね」と、珍しくカポエイリスタについて長く語った久。これから会うメストリはどんな人なのか、会うのが楽しみだ。
サルバドール付近に住んでいると思いきや、バスに乗って2時間半という結構な時間を費やして目的の町についた。辺境だなあ、ブラジルっぽい風景だなあと思う場所も何箇所かあった。これまた海辺の町で、しかし規模はサルバドール市街とは段違いだ。のんびりとした、犯罪どころか人の数も少なそうだ。海はきれいだけれど、こんなところで道場を開いて生計は成り立つのだろうか。
久もここに来たのは初めてらしく、道場の場所を探してしばらく放浪。道を尋ねたりして、何とか道場にたどり着く。メストリはとても優しそうな人で、奥さんと息子さんも紹介してくれた。道場は小さかったけれど、シンボルマークや家のつくりがとても可愛らしくてセンスがよかった(家はメストリの手作りらしい。すごいものだ)。
浜辺のレストランで昼食をとり、ムケッカとセルベージャを胃に入れて久はメストリとの対談に入っていった。ちなみに僕は「この唐辛子はおいしい」と言われ、ためしに食べて地獄を見た。食べ物で涙を流したのは10年ぶりくらいだった気がする・・・。
道場でレッスンさせてくれるかと思ったが、結局僕たちは3時間ほど道場の前で待つだけになった。メストリの息子さんが時折会話してくれたけど、ポルトガル語だけではかなり無理がある。結局7時までのんびりくつろいだだけで、僕たちはメストリ・ルーア・ジ・ボボの道場を去ることになった。せめてTシャツくらい欲しかったけれど、もう今は在庫がないらしい。本当に残念。息子さんは一緒にサルバドール付近へ帰るらしく、ついてきてくれた。
写真:メストリ・ルーア・ジ・ボボの住む町 結構綺麗です。
ここで問題が発生する。
最終バスがなくなってしまっていたのだ。午後7時半の時点で帰るバスなし。日本では考えられない事態だ。というか、なんで息子さんは知らないんだろう?大通りまで他の路線バスの運転手が乗せていってくれたけれど、そこからは本当にどうしたらいいか分からない状態。
「今夜は野宿かな?」と笑う久。野宿は構わないけれど、60レアルが無駄になるのはかなり不愉快だ。何とか帰りたいものだ。大通りなのに車が通ることすら稀で、見上げると満天の星が美しかった。Morangoはかなり不機嫌になっていた。結局久が警察のところで電話boxを借り、タクシーを呼び出してサルバドールまで帰ることになった。いつの間にかもう一人最終バスに乗り遅れた人が参加していて、6人でタクシーの乗り合いとなった。誰が悪いというものでもないけれど、こんなこともあるのだなあと実感する日だった。
何だかんだ言って、久の行動力がものを言った一日だった。メストリのrodaが見られなかったことだけは残念だなあ。
帰り、ビールを飲んで海岸を歩いていたら、ネックレスを奪われかけた。近くにいたのにGarcaoは助けてくれなかった。まあ何ともなかったのだけれど、深夜の徘徊はやっぱり危ない。
写真:メストリルーア・ジ・ボボの道場で。ハンモックでくつろぐMorango