Viagra 11月25日(中編) ボートでしばらく川上へ移動すると、不思議な木や鳥を見ることができた。さすが南国だなあ、と思うがたまに魚の死体も流れている。リアルで非常に怖い。ボートは狭いので揺れて落ちたりしないか心配になる。溺れ死んだりはしないけれど感染症が気になってしまう川の汚さ。なぜこの大自然が汚れてるんだろう・・・
ボートを降りるとそこは森の中。雨もいい具合に上がり、そこからは軽いハイキングとなった。ナタを持った人が4人とビデオカメラを手にした久、写真を撮ろうとしているMorangoとGarcaoという異色の組み合わせ。すでに道はできているため、歩くのには苦労しない。時折脇に逸れて、職人の皆さんがビリーバを切って見せてくれた。ビリーバ狩には時期を見極めることが必要らしい。月の満ち欠けと関係していて、良いビリーバを採るためにはそれを把握することが大切なんだと教えてくれた。採れたばかりのビリーバを見るのはもちろん初めて。だけどそのこと以上に、職人のナタを振るう様子がダイナミックで気をとられてしまった。
写真:ボートから 川は意外に汚いです
ふもとから2時間ほどで頂上に到着。山小屋があり、そこが狩の拠点らしい。犬や鶏までいて、雰囲気は牧歌的。ぐるりと山々を見渡せるすばらしい景色もあるけれど、僕にはとてもじゃないけれど住めないだろうな。頂上までの道は、職人たちが少しずつ切り開いてきたものだという。その根性には頭が下がる。自転車が通っていたけれど、山の中を自転車で走るのもかなり辛いだろうな。ビバ自然。ブラジルの森だとアマゾンを想像してしまっていたけれど、森の中は虫もいないし比較的普通の木が多い。ハイキング気分で楽しめた。久はビリーバの取れる様子にかなり感心した様子で、画像や映像に納めていた。カポエイラの練習だけではさすがにここまで知ることができない。ナタでビリーバを切り、それをボートで運ぶ。結構な重労働だ。こういった作業を見ると、当たり前のように使っていたビリンバウの価値がまた別のものとなる。ビリンバウを製作している久にも思うところがあるんだろう。
帰りに職人が木に登ってココを採ってきてくれた。豪快にナタで割り、即席のagua de cocoが完成。自然の味を味わえた。ボートが引き潮になって進めなくなり、途中から川の中を歩くなどハプニングもあったけれど無事戻ってこられた。実際川を歩いてみるとほんとに汚かった。夕食まで用意されており、いたれりつくせりのビリーバ狩りツアー。職人の人たちも今回は僕たちに配慮して、あまりビリーバを切らなかったみたい。たくさん刈って運んだ効率は良いのだろうに。ビリンバウの製作過程だけでなくて、ブラジル人の温かさに触れられた島でのハイキングだった。
写真:帰る時 川から