Viagra 11月16日(後半) ユースホステル「ラランジェイラス」の前でタクシーを降りたら、いきなり物売りの洗礼を受けた。訳の分からない紙を突き出され、「アミーゴ、プレゼンチ」と言ってくる。紙など要らないし怪しかったので無視。これからしばらく泊まることになるラランジェイラスにチェックインをする。ホテルの周辺は、サンパウロのどの地域とも違う雰囲気を漂わせていた。まず賑やかで、生活よりも楽しみが感じられる。ホテルもくねくねとした変な作りをしているのに、それが逆に面白みを出していた。
荷物を置いたら、早速久の引率でサルバドール探索(久とっては挨拶回り)を始めた。手始めにペウロリーニョ広場に行く。教会に挟まれた、趣のある通りだった。広場では髪を編む屋台や食べ物屋だけでなく、ビリンバウやパンデイロまで売られていた。mesteが許可を得て売っているらしく、久は握手やハステイラで挨拶をしていた。「Oh~、Shinji!」と誰もが歓迎している。
しばらく雑談を交わし、久は僕たちを連れて広場を東に歩いていった。彼は目的を話してくれないため、僕たちはただひたすら付いていくしかない。お土産や食べ物の店が並んでいる通りを歩いていたら、日本でもあったことのあるパウロに出会った。大げさな位嬉しそうに挨拶をする2人。パウロは僕たちに対しては「muito prazer」と言った。初対面じゃないんだけどな・・・
セントロは海沿いの崖の上に位置しており、海やメルカード・モデロに行くためには崖を降りなければいけない。パウロと共にトメ・ジ・ソウザ広場へ行き、僕たちはそこから
エレベーターで崖の下に向かった。広場やエレベーターから覗く海は絶景だった。しかし変な所に1歩踏み込むと凄く危険な感じがした。
メルカード・モデロはお土産や服などが売られている市場だが、久の目的は当然ながらビリンバウ(ビリーバ)だ。建物の外にあるビリンバウの屋台には、ビリーバだけでなくカバッサやカシシの原型が置かれていた。こうやってビリンバウができあがるのかと思うと、何気なく使っている楽器が急に貴重なものに感じられた。もうカバッサを床に落とすのは止めよう…
写真:セントロの公園で 公衆電話はビリンバウの形です
メルカード・モデロの食堂で、久はメストリらしい黒人に話しかけられていた。CDを買えだの、昼飯をおごれだの言われたようだ。7時から路上rodaをやるから来い、とも言われたみたい。僕は嬉しくなったが、久は少し乗り気薄そう。その理由は後ほど分かるのだけれど。
1度ラランジェイラの辺りに戻り、久がかつてよく行っていたというムケッカ店で昼食を取る。店員は久を覚えていたらしく、歓迎してくれていた。ムケッカはシーフードをココナッツミルクやヤシの油、香辛料で煮込んだ料理だ。メストリ・ブラジリアは「味がきつい」と言っていたけれど、肉料理より僕はこちらの方が好きだ。でも4人前で約50レアル。結構贅沢な料理だ。広場で僕はカシューナッツを買っていたのだけれど、いつの間にか無くなっていた。しきりにMorangoが食べていたことだけは覚えいている。
昼食後、今度はメストリ・ルーアハスタのアトリエに向かう。メストリは留守だったけれど、見事なアタバキやビリンバウが並べられていた。値段は高いけれど、一度こんな楽器を弾いてみたい。その後絵を見ていたら、Daraiがようやく合流。サルバドールの大学を見学していたという。「
いや~、結構暑いっすわ~」という態度はいつもと変わらない。バイーアを満喫していたようだ。その後ビリンバウ職人の家を回ったりパウロの店を覗いたり、久は積極的に動き回っていた。カポエイラの道場も2,3紹介してもらう。
夜7時ごろ、路上rodaに参加するためペウロリーニョ広場へ行く。パウロも来ており、傍らには日本人の女の子がいた。チリなど南米を回り、3日前にバイーアにたどり着いたという。肝が据わっているな、と感心してしまう。音楽としてのカポエイラに興味を持ったらしく、rodaを楽しみにしていた。夕暮れがさらに薄暗くなった頃、何となくでrodaが始まった。人数があまりいなかったため、キレイな円は作れなかった。僕たちも何度かjogoに参加。路上rodaは道場とは違った雰囲気が味わえる、楽しいものだった。
路上rodaはバイーアの名物だろうし、見せ物になるのも仕方ない。でも昼間あったメストリは、観光客に写真やビデオを撮らせてからお金を要求したり、知り合いにお金を入れさせたり、無理矢理人集めをするなど金に執着する面が目立った。Garcaoもメストリに金を払っていた。rodaを盛り上げた側なのに、何故金を払ったのだろう?roda後、日本人の女の子はメストリに何か誘われたらしく、パウロが「ああいうのには気をつけなきゃ駄目だ」と注意をしていた。久が乗り気でなかったのはこういうことも理由なのだろう。
Daraiはカポエイラも路上rodaも既に経験したという。2日間、パウロに世話になったようだ。「俺は英語話せる。いいところ連れて行ってやる、って言ってきた人についていこうとしたらパウロに止められましたわ。ああいうのって危険なんですかね~?」と色んな面で満喫していた様子。ライブを聴きながら夕食を食べられる店で彼のバイーア生活&晩餐を開いた。明日Daraiは日本に帰る…